子どものうつとは?大人のうつ病との違いと気づき方

子どものうつとは?

大人のうつ病との違いと気づき方

札幌市中央区
児童精神科専門クリニック
和光メンタルクリニック札幌宮の森


子どもにも「うつ」はある

うつ病というと、大人の病気というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし実際には、子どもや思春期にも抑うつ状態(うつ状態)は起こります。

ただし、子どものうつは大人と同じ形で現れるとは限りません。

大人の場合は

  • 気分の落ち込み
  • 意欲の低下

といった「典型的なうつ症状」が中心ですが、
子どもの場合は行動や体調の変化として現れることが多いという特徴があります。

そのため、周囲が気づきにくいことも少なくありません。


子どものうつでよく見られるサイン

子どものうつでは、次のような変化が見られることがあります。

身体症状が目立つ

子どものうつでは、心の症状よりも体の不調として現れることが多くあります。

  • 頭痛
  • 腹痛
  • 吐き気
  • 食欲低下
  • 疲れやすい
  • 朝起きられない

こうした症状が続き、病院で検査しても異常が見つからない場合、
心のストレスが影響している可能性があります。


イライラや怒りとして表れる

大人のうつでは「気分の落ち込み」が目立ちますが、
子どもの場合は

  • すぐ怒る
  • 反抗的になる
  • 怒りっぽい
  • 些細なことでトラブルになる

など、イライラや攻撃性として現れることがあります。

そのため「性格の問題」「反抗期」と誤解されることもあります。


学校生活の変化

子どものうつでは、学校での様子が変わることもよくあります。

例えば

  • 学校に行きたがらない
  • 成績が急に下がる
  • 集中できない
  • 友達と遊ばなくなる
  • 部活や習い事をやめる

といった変化が見られることがあります。


楽しめていたことに興味がなくなる

これまで好きだったことに対して、興味を示さなくなることも特徴の一つです。

例えば

  • ゲームをしなくなる
  • 趣味をやめてしまう
  • 友達と遊ばなくなる

などの変化が見られる場合があります。


大人のうつとの主な違い

子どものうつは、大人のうつとはいくつかの点で異なります。

子どものうつ大人のうつ
イライラが目立つ気分の落ち込みが中心
身体症状が多い心理症状が中心
行動の変化として出やすい気分の変化がはっきり
周囲が気づきにくい本人が不調を自覚する

つまり、子どものうつは
「悲しそう」ではなく「怒りっぽい」「元気がない」「体調不良が続く」
といった形で現れることが多いのです。


なぜ子どもはうつになりやすいのか

子どものうつには、いくつかの要因が関係します。

学校や人間関係のストレス

  • 友人関係の悩み
  • いじめ
  • 学業のプレッシャー

環境の変化

  • 引っ越し
  • 転校
  • 家族の変化

発達特性

ASDやADHDなどの特性がある場合、

  • ストレスを受けやすい
  • 対人関係で疲れやすい
  • 感覚過敏がある

などの理由で、抑うつ状態が起こることがあります。

思春期の影響

思春期は脳やホルモンの変化が大きく、
感情の調整が不安定になりやすい時期です。


子どものうつへの対応

子どものうつでは、早めの気づきとサポートがとても重要です。

子どもの気持ちを否定しない

「気にしすぎ」「甘え」などと否定してしまうと、
子どもはさらに孤立してしまいます。

まずは

「つらかったね」
「大変だったね」

と気持ちを受け止めることが大切です。


無理に頑張らせない

無理に学校へ行かせたり、
「頑張れば大丈夫」と励ましすぎることは、
かえって負担になる場合があります。


専門的なサポート

児童精神科では、

  • 心理的サポート
  • 環境調整
  • 必要に応じた薬物療法

などを組み合わせて支援を行います。


受診を考えたほうがよいサイン

次のような状態が続く場合は、一度専門機関への相談をおすすめします。

  • 学校に行けない状態が続く
  • 強いイライラや落ち込みがある
  • 食欲や睡眠が大きく変化した
  • 以前楽しんでいたことに興味がなくなった
  • 自分を責める発言が増えた

まとめ

子どものうつは、大人のうつとは症状の現れ方が異なることが多く、
体調不良や行動の変化として表れることが特徴です。

「反抗期」「怠け」と思われがちな変化の中に、
実はうつのサインが隠れていることもあります。

子どもが出しているサインに気づき、
早めに周囲がサポートしていくことが大切です。