小児パニック障害の診断と治療について

小児パニック障害の診断と治療について

(札幌市中央区 児童精神科 和光メンタルクリニック札幌宮の森)

こんにちは。
札幌市中央区の児童精神科専門クリニック、和光メンタルクリニック札幌宮の森です。

近年、子どもの不安症状の中でも「パニック発作」を疑うケースが増えてきています。
大人の病気と思われがちなパニック障害ですが、実は小児期にも発症することがあります。

今回は、小児パニック障害の診断と治療について、臨床現場の視点からわかりやすく解説します。


① 小児パニック障害とは?

パニック障害とは、突然の強い不安発作(パニック発作)を繰り返す病気です。

小児の場合、以下のような症状がみられます。

・急に「苦しい」「死んでしまうかも」と訴える
・動悸、息苦しさ、胸の違和感
・めまい、ふらつき
・手足のしびれ
・吐き気、腹痛
・「このままおかしくなる」という恐怖感

特に子どもでは
👉「身体症状(腹痛・頭痛)」として表現されやすい
👉言葉でうまく説明できない

という特徴があります。


② 診断のポイント

小児パニック障害の診断では、以下が重要です。

(1)パニック発作の有無

・突然発症し、数分〜30分程度でピーク
・明らかな誘因がない場合も多い

(2)予期不安の存在

・「また発作が起きるのでは」という不安
・外出や学校を避けるようになる

(3)回避行動

・学校に行けない
・一人で外出できない
・エレベーターや電車を怖がる


③ 鑑別診断(重要)

小児では特に鑑別が重要です。

身体疾患

・不整脈
・気管支喘息
・てんかん
・甲状腺機能異常

👉まず身体疾患を除外することが必須です

精神疾患

・全般性不安障害
・分離不安障害
・社交不安障害
・うつ病
・注意欠如・多動症(ADHD)に伴う不安
・自閉スペクトラム症(ASD)の感覚過敏によるパニック


④ 小児パニック障害の原因

主に以下が関与します。

(1)脳の神経伝達の問題
セロトニンなどのバランス異常

(2)気質
不安を感じやすい性格

(3)環境要因
・学校ストレス
・家庭環境
・いじめ

(4)発達特性
ASDやADHDが背景にあるケースも多い


⑤ 治療の基本方針

小児では、薬だけに頼らない多面的な治療が重要です。


⑥ 心理療法(第一選択)

認知行動療法(CBT)

最も重要な治療です。

・発作は「危険ではない」と理解する
・不安の仕組みを学ぶ
・徐々に怖い状況に慣れていく(曝露)

👉子ども向けにわかりやすく説明することがポイント


⑦ 環境調整

・学校との連携(保健室登校など)
・安心できる環境づくり
・無理に登校を強制しない

👉「安心感」を優先することが回復への近道です


⑧ 薬物療法

症状が強い場合に検討します。

(1)SSRI(第一選択)

・セロトニンを調整
・発作の頻度・強さを軽減

代表例
・フルボキサミン
・セルトラリン


(2)抗不安薬(頓用)

発作時に使用


・ロラゼパム

※依存リスクがあるため慎重に使用


⑨ 家族への対応(非常に重要)

保護者の関わり方が治療の鍵になります。

・「大丈夫」と安心させる
・否定しない
・叱らない
・発作時はそばにいる

NG例
✖「気のせい」
✖「我慢しなさい」

👉症状を理解し、共感することが最も重要です


⑩ 予後

適切に治療すれば、多くは改善します。

ただし
・放置すると不登校
・うつ病へ移行

する可能性があるため、早期介入が重要です。


まとめ

小児パニック障害は、

・身体症状として現れることが多い
・診断には鑑別が重要
・心理療法が中心
・家族の関わりが極めて重要

という特徴があります。

「ただの不安」と軽視せず、適切な診断と治療を行うことで、子どもはしっかり回復していきます。


札幌市中央区でお子さまの不安やパニック症状でお悩みの方は、
児童精神科専門クリニック
和光メンタルクリニック札幌宮の森までお気軽にご相談ください。