【こころの木を描く検査】バウム検査とは?|和光メンタルクリニック札幌宮の森(札幌市中央区)
お子さんがカウンセリングや心理検査を受けるとき、
「木の絵を描いてみましょう」と言われることがあります。
それが「バウム検査(Baum Test)」です。
一見するとただの「お絵描き」ですが、実は心の状態や性格傾向を読み解く心理検査のひとつです。
今回は、この「バウム検査」についてわかりやすくご紹介します。
■ バウム検査とは
バウム検査(Baum Test)は、ドイツの心理学者**カール・コッホ(Karl Koch)**によって考案された心理検査で、
「Baum(バウム)」とはドイツ語で“木”を意味します。
この検査では、
「一本の木を描いてください」
というシンプルな指示のもと、自由に木を描いてもらいます。
描かれた木の形・大きさ・枝ぶり・根・幹の太さ・位置・バランスなどから、
その人の性格、感情の状態、心理的エネルギーの方向を読み取ります。
■ バウム検査でわかること
木は、人間の「成長」や「生命力」を象徴しています。
そのため、木の描き方には、無意識のうちに自分自身のこころの姿が反映されます。
たとえば――
木が細くて弱々しい:自信やエネルギーの低下、不安感
根がしっかり描かれている:現実的で安定した性格
枝が上向きで広がっている:意欲的で社交的
木が紙の上端まで届くほど大きい:自信や自己主張の強さ
木が小さく片寄っている:内向的傾向、緊張感
樹木が装飾的・細部まで丁寧:感受性の高さ、思考の細やかさ
このように、絵の印象や構成要素を多角的に見て、
その方の心理的特徴やストレスの有無、発達段階の理解に役立てます。
■ バウム検査の進め方
説明
静かな環境で「一本の木を描いてください」と伝えます。
所要時間は5〜10分程度です。
描画
どんな木でも構いません。果物の木でも、葉のない木でもOKです。
自由にのびのび描いてもらいます。
質問(事後面接)
描き終えた後、「この木はどこにありますか?」「何歳ぐらいの木ですか?」などの質問を行い、
描いた人のイメージや感じ方を深く理解します。
心理士による分析・解釈
絵の特徴やバランス、言葉の内容などを総合的に読み取り、
臨床心理士が心理的傾向や状態を評価します。
■ どんなときに行う検査か
バウム検査は、次のような場面で用いられます。
お子さんの性格傾向や感情表現の特徴を知りたいとき
不登校や情緒の不安定さなど、心理的背景を探りたいとき
うつ状態・ストレス・不安傾向の評価
発達障害(ADHD・ASD)などの自己理解や支援方針の参考に
カウンセリングや心理療法の導入・補助的ツールとして
とくに児童・思春期では、言葉で気持ちを表現することが難しい場合も多く、
絵を通して“こころの声”を受け取ることができる貴重な検査です。
■ バウム検査の特徴
非侵襲的・ストレスが少ない
描くだけなので、どなたでも安心して受けられます。
年齢・知能に関係なく実施できる
子どもから大人まで、幅広く活用できます。
他の検査と組み合わせて理解が深まる
WISC・ロールシャッハテスト・P-Fスタディなどと併用することで、
より正確な心理像を把握できます。
■ 和光メンタルクリニック札幌宮の森の取り組み
当院では、バウム検査をはじめとした心理検査・カウンセリングを通じて、
お子さん一人ひとりの「感じ方・考え方・行動の背景」を丁寧に理解することを大切にしています。
検査結果は、医師・臨床心理士・保護者の方が共有し、
学校生活や家庭でのサポート方法を一緒に考えていきます。
■ まとめ
バウム検査は、「木を描くことで心の状態を読み取る」心理検査
お子さんの性格やストレス、感情の特徴を理解する手がかりになる
言葉にできない気持ちを“絵”で表現できる、安全で穏やかな検査
和光メンタルクリニック札幌宮の森では、心理士が丁寧に実施・解釈します
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