うつ病とASD・ADHDの合併について

うつ病とASD・ADHDの合併について

札幌市中央区の児童精神科専門クリニック
和光メンタルクリニック札幌宮の森です。

「学校に行けなくなった」
「以前より元気がない」
「イライラや自己否定が強い」
「発達特性がある子がうつっぽくなっている」

このようなお悩みでご相談いただくことがあります。

ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)を持つお子さんでは、うつ病を合併することがあります。

しかし、発達特性とうつ症状は重なって見える部分も多く、気づかれにくいことがあります。

今回は、ASD・ADHDとうつ病の関係、症状、原因、治療について、児童精神科の視点からわかりやすく解説します。


ASD・ADHDとは?

ASD(自閉スペクトラム症)

ASDでは、

  • 対人関係の苦手さ
  • 感覚過敏
  • こだわり
  • 状況変化への弱さ

などの特徴があります。


ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDでは、

  • 不注意
  • 忘れ物
  • 集中困難
  • 衝動性
  • 落ち着きにくさ

などがみられます。


なぜうつ病を合併しやすいのか?

ASDやADHDの子どもたちは、日常生活の中で多くのストレスを抱えやすい特徴があります。


周囲とのズレ

「頑張っているのにうまくいかない」

経験を繰り返しやすく、

  • 自信低下
  • 自己否定感

につながることがあります。


学校生活のストレス

  • 集団適応
  • 友人関係
  • 感覚刺激
  • 失敗体験

などが慢性的なストレスになることがあります。


二次障害としてのうつ

発達特性そのものではなく、

「生きづらさ」

が積み重なることで、うつ状態になるケースがあります。

これを「二次障害」と呼ぶことがあります。


ASD・ADHDに合併するうつ病の症状

元気がなくなる

  • 活動量低下
  • 無気力
  • 興味低下

など。


イライラが増える

子どものうつでは、

「落ち込み」

より、

  • irritability(易刺激性)
  • 怒りっぽさ

として出ることがあります。


学校へ行けなくなる

  • 朝起きられない
  • 頭痛
  • 腹痛
  • 不登校

などとして現れることがあります。


自己否定

  • 「自分なんてダメ」
  • 「消えたい」
  • 「迷惑をかけている」

などの発言がみられる場合があります。


睡眠の乱れ

  • 寝つけない
  • 夜更かし
  • 朝起きられない

など。


ASD・ADHDとの見分けが難しい理由

発達特性とうつ症状は重なる部分があります。

例えば、

  • 集中困難
  • コミュニケーション低下
  • 意欲低下

などです。

そのため、

「元々の特性か、うつ状態か」

を丁寧に評価することが重要です。


こんな変化は注意

以下のような「以前との変化」が重要です。

  • 急に無口になった
  • 好きなことをしなくなった
  • 登校しぶり
  • 表情減少
  • 食欲低下
  • 自傷発言

など。


治療について

環境調整

まず非常に重要なのが、

「ストレスを減らす」

ことです。


学校調整

  • 刺激軽減
  • 別室登校
  • 配慮依頼

などを行う場合があります。


家庭での対応

「頑張れ」

より、

「安心できる環境」

が重要になることがあります。


カウンセリング

心理的サポートや認知面への支援を行います。


薬物療法

必要に応じて、

  • 抗うつ薬
  • 不安を和らげる薬
  • 睡眠調整薬

などを慎重に使用することがあります。

ASD・ADHDでは薬への反応が独特な場合もあり、慎重な調整が重要です。


ADHD治療が有効なことも

ADHD症状が強く、

  • 失敗体験
  • 学校困難

につながっている場合には、

ADHD治療によって二次的な抑うつが改善するケースもあります。


早期介入が重要

長期間放置すると、

  • 不登校長期化
  • 自己肯定感低下
  • 自傷
  • 引きこもり

につながることがあります。

早めの評価・支援が重要です。


保護者の方へ

ASDやADHDを持つお子さんでは、

「怠け」

ではなく、

「疲弊」

としてうつ状態が出ていることがあります。

本人も「なぜつらいのかわからない」ことがあります。

まずは、

  • 否定しない
  • 比較しない
  • 安心できる環境を作る

ことが大切です。


まとめ

ASD・ADHDのお子さんでは、

  • 学校ストレス
  • 対人関係
  • 感覚過敏
  • 失敗体験

などから、うつ病を合併することがあります。

発達特性とうつ症状は重なって見えるため、専門的な評価が重要です。

札幌市中央区の児童精神科専門クリニック
和光メンタルクリニック札幌宮の森では、

  • ASD
  • ADHD
  • 不登校
  • うつ症状
  • 不安症状
  • 思春期のこころの問題

などを専門的に診療しております。

お子さんの様子で気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。